3歳時クリソベリルも脅威を感じた同世代の怪物デアフルーグ。

デビュー前から評判の高かったデアフルーグ。

2018年、今年は鈴木伸尋厩舎から凄い馬がデビューするらしい。

そんな話が美浦内ではささやかれていたかどうかは分かりませんが、

とにかくこれまでに預かった事のないくらいの素質馬が来た!

そう鈴木調教師は関係者に話していたそうです。

その馬の名は、デアフルーグ!

鞍上に指名された津村騎手も一度デアフルーグに跨ると

その底知れぬ能力の高さをヒシヒシと感じたそうです。

これまでの競馬人生で乗った事がないくらいの感触を

同馬から伝わってきたようで、相当楽しみにしていた模様。

それは、実際のレースで乗ってさらに確信に変わった。

新馬戦は、2歳の終わり12月に行われた中山ダート1800m。

ここでデアフルーグは、2着馬に1秒5差をつける圧巻とも言える

勝ちっぷりを披露。

ものが違う。

次元の違う走りを見せつけました。

続く明け3歳で臨んだ黒竹賞でも、完勝といえる内容で

あっさりOP入り。

デアフルーグにとっては通過点とすら呼べないくらい他馬とは

まるで格が違うレースを見せつけました。

そして、3戦目はOP伏竜ステークス。

津村騎手は、デアフルーグの能力にかなりの自信があったのか

後方から横綱競馬を展開。

そんな競馬に馬も応え、ここも快勝。

堂々たる馬っぷりは、もはや同世代NO1ではないかと思わせるほどでした。

そして、この伏竜ステークス2着のマスターフェンサーが、その後

ケンタッキーダービー6着、ベルモントS5着と好走した事で

デアフルーグの評価をさらに跳ね上げました。

3連勝の勢いに陰り。デアフルーグ。

そんなデアフルーグでしたが、中山ダート1800m同コースの3連勝後

初の東京ダート1600m青竜ステークスに出走。

1枠1番という厳しい枠を引いたものの、3連勝の勢いもあり堂々の

1番人気となりました。

ところがレースで津村騎手はそれなりに上手くは乗ったものの

結果はデュープロセスに敗れ2着。

ただタイム差がなかったことと、不利な位置からの競馬、そして

騎手力の差なども言われ、大きく評価を下げる事はありませんでした。

どんなに強い馬でも試練はありますからね。

慣れない距離、そしてコースも影響しての結果と思えば、ファンも

納得したのでしょう。

そして、GⅢユニコーンSへの出走。

ここでは、4枠6番という絶好枠を引き、今回は誰もがデアフルーグの

圧勝を確信。堂々の一番人気に支持されます。

ところが結果は、まさかまさかの7着。

誰もが予想だにしない結果。

馬券内にすら食い込めないレースぶりに津村騎手の騎乗に

対しての苦言のコメントも多かったようです。

しかし、レースを見る限りでは馬自体に力がなかった。

距離、そして、重馬場によるスピード競馬になった事で

対応出来なかった。いろいろな敗因が考えられました。

この惨敗により、唯一クリソベリルに迫れるだろうと見られていた

デアフルーグの評価は下がります。

ですが、それでもファンは距離やコースが変われば、変わるのではと

期待していました。

そして、次走のGⅠ!

津村騎手で臨んだジャパンダートダービー!

3歳最強馬の呼び名が高いクリソベリルとの対決。

多くのデアフルーグファンはこの時が来るのをワクワクして

いたのではないでしょうか。

クリソベリルは確かに強い。

しかし、デアフルーグも相当な能力を持った馬。

立ち回り次第では、勝負になるのではないか。

そんな期待感を持って見ていた人は多くいたと思います。

ただ、鞍上が津村騎手であったのは、あまり良いという意見は

少なかったようです。

津村騎手もこれだけの素質馬に乗って2度も負けた事に申し訳なさと

自分の騎乗力に自信を失っていたのではないかと思います。

鈴木調教師にも、鞍上を替えて欲しいと申し出たそうですが、鈴木調教師は

津村騎手でデアフルーグを一流の馬にしたいという思いがあり、鞍上を交代

する事はありませんでした。

津村騎手を何とか男にしたい!

GⅠを獲らせてあげたい。そんな思いが鈴木調教師にはあるようです。

しかし、そんな気持ちとは裏腹にデアフルーグは8着と惨敗。

馬も負け続けた事もあってか、完全にメンタル的にも以前の活気が

無くなっていました。

デアフルーグと対決した馬達のその後。

まずは、伏竜ステークスで対決したマスターフェンサーは

前述のように米国のGⅠでソコソコの成績を収め、日本に帰国。

帰国後の初戦2勝クラスでは、格の違いを見せつけ勝利するも

続く3勝クラスでは、圧倒的人気に支持されながら、4着に敗れています。

OPに上がれる日は近いとは思いますが、まだ能力的にはOPレベルではない

とも言えます。

続いて青竜ステークスを優勝したデュープロセスですが、ユニコーンS2着の

後は、古馬OPの壁に阻まれて、厳しい競馬が続く。

前走は兵庫ゴールドトロフィを勝利したものの、メンバーレベルは相当低く

その中でも地方馬の2頭に最後は詰め寄られての辛勝。

一連のレースぶりを見ても、デアフルーグの評価はやはり上記2頭の

その後を見れば明らか。

得意舞台で再起を計ったデアフルーグ。

1月12日に中山でOPダート1800m。

ポルックスSが行われました。

ここに満を持して登場したデアフルーグ。

3連勝をした舞台という事とメンバーレベルを見ても

勝負になると踏んで2番人気の評価を得ました。

ベストのコースであり、もっとも能力を発揮できる中山1800だけに

ここで勝負にならないとどうしようもない。

まさに再起を計るにふさわしい場所でしたが、無念の4着。

内容的には悪くないという見方も出来ますが、これまでの評価を

考えると、一流馬と呼ばれるには程遠い結果となりました。

また4着といっても、勝ち馬スワーヴアラミスとは1秒1差も

つけられており、実質惨敗といえるレースでもありました。

それでも、スワーヴアラミスがGⅠ馬とかGⅡ優勝馬とかであれば

まだデアフルーグの評価の余地もありますが、1走前にOPに上がったばかり

の馬ですからね。

素質馬である事は認めますが、能力的に見ても現役最強ダート馬

クリソベリルとは絶対的な差があるでしょう。

成長力に疑問、デアフルーグ。

今回のポルックスSを見て思ったのは、デアフルーグは

正直成長していないという点です。

走破タイムも、レース内容が違うのではっきり比較は

出来ないのですが、3歳の春先に走っている内容と

あんまり代わり映えがない。

斤量も55キロと他馬よりも軽い状態で臨んでいるにも

関わらず、伸びなかった印象。

どんなに素質があっても、成長力がなければ上にはいけない。

叩き2走目で若干の変化はあるかもしれませんが、スワーヴアラミスに

つけられた1秒以上の差を埋める事は容易ではないでしょう。

この先、どういった形でレースを使っていくかは陣営もかなり

難しい所だと思いますが、とにかく出来るだけ弱いメンバーが

集まるレースに出走するしかないでしょう。

まずは少しでも着順を上げれるレースに出走させ、メンタルの回復が

大事かもしれませんね。

いずれにしても、今後のデアフルーグの道のりは険しそうです。

個人的な見解としては、転厩したり、鞍上を変更したりして

馬に新たな変化を与えないと現状は変わらないのではないかと

思います。

能力はあるはずなので、後は馬の成長力をいかに促していけるかが

ポイントだと思います。

見事復活となるか。それとも、このまま日の目を浴びず

終わってしまうか。

デアフルーグがもう一度クリソベリルと対決できるくらいの馬に

なって欲しいですね。

デムーロ騎手に乗せてくれないかな。

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