現代の日本競馬において一流馬になるための絶対的な要素とは何か?

運的な要素を待っていては一流馬になれず。

現代の日本競馬は、芝環境がさらに整備され、本当に早い時計の

出やすい馬場になりました。

そこに優秀な遺伝子を持つ血統の馬達が、次々と従来のレコードタイムを

更新しています。

そういった意味も含めて、今や日本競馬は超スピード競馬が主流。

そのため、2000年代前後まで見られた一流馬のいわゆる

王道競馬とも言われる大外ぶん回しからの直線一気差しが

あまり見られなくなりました。

しかし、これは逆を言えば、最後方から直線の追い込みだけで

勝てるという競馬が出来なくなってきたとも言えます。

つまり、追い込み一辺倒では展開に大きく左右されるため

差し損ねる可能性が高いわけです。

一流馬でも、なぜ差し損ねてしまうのか?

その大きな原因は、外厩制度の拡大と馬のレベルの平均化だと言えます。

一昔前ですと、一流馬とそうでない馬との差が大きくあり

極端な事を言えば、多少の不利があっても十分勝てる力の差がありました。

ですが、現代はとにかく優秀な血統が引き継がれてきた馬達ばかりなので

勝てる可能性の高い一流馬に乗っていたとしても、スタートでつまづいたり

レース中に不利があれば、負けてしまう事が多くなりました。

馬の力差があまり無くなってきたという事です。

もちろん、今でいえば、アーモンドアイのように超一流馬も

いますが、そのアーモンドアイでさえ今年の安田記念では

スタート直後の不利でポジションが後ろからとなってしまい

結果3着に敗れています。

最後は流石と言える上がり最速の脚を使ってタイム差なしまでは

食い込んできましたが、それでも負けは負け。

これが昔だったら、おそらく突き抜けて勝っていたでしょう。

2009年の安田記念、ウォッカのように。

追い込み馬では一流になれず。

現代競馬において、今や絶対的要素。

脚質が追い込みでは、一流馬にはなれない。

近年の東京コースの芝GⅠを見てもそうですが

ほぼ先行馬か好位からの差しでなければ

前を捉える事が出来ない。

つまり、出遅れてしまった時点で勝ち目どころか

馬券内も厳しいと言えます。

15年以上前ならば、東京コースであれば後方からでも

一気に脚で差し切れる馬が多くいましたが、現在の東京コースでは

かなりの力差がない限り後方から差し切るのは至難の業。

そして、これは東京コースだけでなく中央開催のコース全般に

言える事でしょう。

だからこそ、大事なのは、馬を育てる上でいかに先行差しが

しっかり出来るようにするかという事でしょう。

スタートからの好位置にポジションを獲れないとそれだけで

もう大きなマイナスなわけですからね。

そのためには、馬を先行脚質や好位差しが出来るように訓練して

いかなければならず、追い込み脚質には絶対にしてはならない

という事になります。

もちろん、展開がハマれば追い込み馬が台頭出来る事も

ゼロではありませんが、かなりリスクの高い脚質である

事は間違いないでしょう。

それに昨今では、少しくらいのハイペースでも全く前が

止まりませんからね。これがレコードタイムに繋がる訳ですが。

素質の高い馬、そしてGⅠを多く勝てる馬はもはや自在型でなければ

ならないという現状です。

そこで外厩制度が活きて来るのでしょうけれど、ここはまさに馬のケア

もですが、いかにして強い馬を作り上げるかを徹底して取り組んでいる

施設とも言えます。特にノーザン系の外厩は素晴らしくGⅠ実績に

はっきりと表れてますからね。

つい先週に行われた阪神ジュベナイルフィリーズでも圧倒的人気を

集めたリアアメリアでしたが、後方からの競馬で結局伸びませんでした。

タイムが早すぎて追走している間にもう残りの脚が無くなっていたのでしょう。

まだ2歳馬で、良血馬ですので今後に期待ですが、最終的に脚質を

替えていかないとまずGⅠ戦では勝ち負け出来ない可能性が高くなるでしょう。

ノーザンの馬ですので、今後外厩でかなり教育されていくはずです。


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