強すぎる馬に乗り過ぎた弊害。突如起こったルメール騎手の騎乗変化。

重圧が時に人を変える。

当ブログで前にも説明しましたが、GⅠレースなどの

ビックレースに今までGⅠに乗った事がない騎手が騎乗すると

それが人気馬で力のある馬であっても、本来の力が出せなくなる。

またGⅠレースで何度も勝ち鞍がある騎手でも、やはり

圧倒的一番人気の馬に乗る際には、相当なプレッシャーが

あるため、思わぬミス騎乗をしてしまう場合があります。

つまり、競馬で特に重要なのは、騎手のメンタルと言えるでしょう。

普段全くプレッシャーのない時は、落ち着いた騎乗が出来るため

技術が高い騎手ほど馬の能力を最大限に発揮出来るでしょう。

ですが、問題は重圧のかかる場面で、同じポテンシャルを

発揮できるかです。

これが出来ないといくら馬が良くても、勝てなくなります。

そんな場面をこれまで何度となく見てきました。

そして、今まさにこの重圧に該当する騎手が

クリストフ・ルメール騎手です。

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昨年秋の快進撃もあり、現在ルメール騎手にはさらに強い馬の

騎乗依頼が集まっています。

しかし、その中には、ドバイターフを制したアーモンドアイや

皐月賞を制し、クラッシク3冠が見えるサートゥルナーリアという

超のつく一流馬がいます。

騎手人生の中で、最高の宝ともいえるほどの馬に出会えた事は、

ラッキーだったと思うのですが、それと同時に重荷を背負う

事にもなりました。

どういう事かと言いますと、今後無事にアーモンドアイや

サートゥルナーリアに騎乗するためには、馬のケガは

もちろんですが、とにかくルメール騎手自身のケガや

騎乗停止がない事が絶対条件となります。

まだアーモンドアイやサートゥルナーリアがGⅠで走る前は

ルメール騎手もリラックスして騎乗して、勝ち鞍を伸ばして

いました。

しかし、どちらもあっさり格の高いGⅠを勝ってしまった事で、嬉しい反面

今後の2頭の出走GⅠを意識すれば、するほど、無事にレースを

迎えるという事がルメール騎手の心の中に強く残るようになってきました。

その結果、皐月賞の週では、サートゥルナーリアの優勝以外は

かなり精彩を欠いた騎乗が目立ちました。

そして、翌週に関しても、かなりの有力馬に乗りながら

勝ったのは、僅か未勝利戦の1勝のみ。

他は馬券外にすらこないと言うレースも結構ありました。
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強すぎる馬に乗り過ぎた弊害。

皐月賞の週のルメール騎手の騎乗ですが、やはり

落馬や騎乗停止を恐れてか、とにかく無理をしないという

騎乗に徹していました。

その結果、無事に皐月賞を勝つことが出来ましたが

そのために払った代償は大きかったと言えます。

必要以上に他馬との接触を嫌った結果、本来の

名手ぶりが影をひそめてしまいました。

これがあのルメール騎手かと思うくらい、完全に

騎乗リズムを崩してしまったような気がします。

これから、おそらく大スランプがやってくると思います。

いくらルメール騎手が名手だとしても、これだけ

普段の流れとは違う競馬をしてしまったのですから

修正するにしても、かなりの時間を要するでしょう。

加えて、アーモンドアイ、サートゥルナーリアの騎乗という

重圧は続きますからね。

ノーザン関係者からすれば、格の高いGⅠを超一流馬で勝ってもらう事が

最重要事項なのかもしれませんが、騎手という立場に立った時に

そのために他のレースをおろそかにすると、騎乗力の低下につながります。

これまで、プロとして一戦一戦を真剣に競馬と向き合ってきた騎手だからこそ

このレースは、無理をしないけど、このレースは何としても勝つとか、そういった

調整騎乗のような事は出来ないし、それをやってしまうと判断力が低下してしまうので

勝てるレースも勝てなくなったりします。

これが馬の力が500万クラスのレースの中に1頭だけOPクラスの馬が

交っていて、その馬に乗るのであれば、騎乗力関係なく圧倒的に

力のある馬が勝つでしょうけれど、そんなに楽なレースなんて

クラスが上がれば上がるほどないでしょう。

これから、上半期のルメール騎手の騎乗がどうなるか

注目したいところです。

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