G1で圧倒的一番人気の馬を勝たせる騎手の凄さを説明します。

強い馬に乗れば誰でも勝てる。

ただ馬にまたがってれば、いいだけなのだから。

ある元JRAジョッキーは、こう言っていました。

馬の力が強ければ、騎手など関係ない。

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でも、果たしてそうでしょうか?

私も今まで競馬をやってきて、幾度となく
圧倒的一番人気に支持された馬が敗れるレースを
目にしました。

どう考えても、このメンバーでは明らかにずば抜けて
強いという馬がです。

つまり、どんなに馬の力が強くて、他馬よりも一枚も二枚も
格上の力を持っていたとしても、競馬に絶対はないという事です。

ましてや、G1レースになれば、他馬だってどうしても勝ちたいレース
なわけですから、馬の状態をこれ以上ないくらい素晴らしい仕上げに
して臨んでくるわけです。

圧倒的に強い馬だとしても、上手く馬郡をさばけなかったり、大きく出遅れたり
引っかかって馬との折り合いをかいてしまったり、他馬と接触する不利を受けたり
様々な要因で負けてしまう可能性があります。

力の差は明らかであるのに、なぜ負けてしまうのでしょう。

そんなレースが度々起こるのでしょう。

それは、人間つまり騎手が、馬を動かしているからに他ありません。

人馬一体という言葉があるように、馬だけが良くてもそれを操る騎手が
しっかり馬を導いてあげる事が出来なければ勝利する事は出来ないのです。

これが、例えば未勝利馬と一線級のオープン馬くらいの桁外れなレベルの違いが
あれば、大きく出遅れようが、少し折り合いをかこうが、いくらかの不利を受けたとしても
100回走ったとして一度も負ける事はないでしょう。(落馬や故障を除く)

上記の場合ならば、どの騎手が乗っても結果は変わらない。
それが、例え圧倒的一番人気のG1レースだとしてもです。

なぜならば、普通に走ったら着差はおそらく2秒とか3秒差
場合によってはもっと差がつくかもしれません。

ところがそこまで極端に差ができるくらいのG1レースなんてレースはありません。

当然ですよね。圧倒的に強い馬と言っても、他馬だって強い馬達と戦って
勝ちぬいてきたからこそ、G1レースへの出走権利を得る事が出来たのですから。

となれば、たった一つのミスで勝利を逃す事になりうるわけです。

ですから、騎手がいかに大事なポジションに立っているかという事が
明白であると言えるでしょう。勝利への道は、騎手が握っています。

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そして、いつもG1を勝っている騎手を見ますと、大体が同じ顔ぶれです。

たまに聞いた事のないと言ったら失礼になりますが、下位の騎手が
大穴と呼ばれる馬で勝利することがあります。

でも、いつもG1勝利に名前が挙がるのは、デムーロ騎手、ルメール騎手
武豊騎手、川田騎手、池添騎手などではないでしょうか。

この上記の騎手たちは、今まで圧倒的一番人気の馬に乗り勝利してきた騎手です。

G1レースで圧倒的一番人気を背負って走るプレッシャーを考えてみて下さい。

勝つ事を期待された馬、いやもっと言えば勝って当たり前、これで勝てなければ騎手のせい。

そういう期待を一身に集めている馬に乗る騎手の気持ちはどんなものでしょうか。

厩舎、馬主、競馬ファン他関係者など、すべてが馬と同時に鞍上に意識が視線が集まるのです。

自分がそんな馬に乗って絶対に勝たせなければいけないというプレッシャー。

おそらく、G1レース日の前日なんて、まともに眠れるはずがありません。

前述の騎手たちもぐっすりは眠れないのではないでしょうか。

極限までのプレッシャーは、必要のない不安やネガティブな感情を引き起こす
かもしれません。もはや、G1で勝てるチャンスをもらった嬉しいと小躍り(こおどり)
する余裕などないはずです。

負けたらなんて言われるか。冷たい視線が飛んでくるかもしれない。

もう強い馬に乗せてはもらえないかもしれない。

どんどん、追い込まれていきそうな気持ちになるはずです。

そんな弱気の言葉を吹き飛ばしてきたからこそ、前述の騎手たちは数々のG1を勝ってくる事が
出来たのです。

そう言った意味で言えば、武豊騎手がいかに凄い騎手かわかると思います。

今まで、一体どれだけ圧倒的一番人気の馬をG1で勝たせてきたか
そのプレッシャーに飲み込まれる事なく、結果を出し続けてきたかを考えてみたら凄いとしか
言わざるを得ません。

もちろん、勝てなかった時もありましたが、これだけの成績を残した騎手が
果たしていたでしょうかという事です。(いませんね。)

競馬ファンの中では、もっと早く仕掛ければ勝てたのにとか、どん詰まりだよ下手だねとか
負けた時には言う人もいますが、もしあなただったらそれが出来ますか?という事です。

それが出来るくらいなら、多くの騎手が皆武豊という天才をとうに飛び越えているでしょう。

昔元JRAの安藤勝己騎手が言っていましたが、強い馬を勝たせる技術は彼をおいて他に
右に出る者はいない。そのようなニュアンスの事を言っていました。

この強い馬をしっかり勝たせるという事が簡単なようで難しい事は
さきほどの説明で理解していただけたと思います。

簡単に言えば、プレッシャーに強い騎手だということです。

負ける事のこわさよりも勝つ事の喜びやワクワク感のほうが
勝ってるのだと思います。

これまでの実績や経験もその気持ちを後押しするのでしょう。

若手騎手やG1経験の浅い騎手がまずG1で圧倒的一番人気の馬に
乗る事は少ないですが、その機会に恵まれた時なかなか勝てないのは
プレッシャーに負けてしまうからです。

普段通りに乗れれば、勝てるレースでもプレッシャーが
かかれば上手く乗れなくなってしまったりします。

例で挙げるとすれば、あなたの全財産が1000万だったとします。

馬券を一万とか二万で勝負をしている間は、心に余裕があるはずです。
万馬券狙いで高配当を目指すかもしれませんね。

ところが必ず1000万を全部1レースに勝負しなければいけないと
なったらどうでしょうか。対象とするレースは元返しでも何でもいいけれど
絶対勝負しなければならないのです。

負ければ、全部なくなるわけです。絶対に失いたくない。

さてあなたの心はどうなりますか?

まずは、買う券種ですがおそらく複勝ですよね。

そして、次にレース。確実に来る馬しかもほぼ1着をとれる確率の高い馬
最低でも2着悪くても3着に入るという馬。

もはや、頭の中には万馬券のまの字もないでしょう。

でも、失いたくないと思えば思うほど、失った時の事を想像してしまったりします。

すると、次に来るのは疑いです。本当にこのレースでいいのか、この馬で
間違いないのか。

他のレースも徹底的に調べるはずです。もっともっと強い馬が出るレースが
あるはずだと、100%勝つもしくは3着以内に入る馬がいる。

どんどん心は迷いの中に、、、そして、人は時にミスをしてしまうのです。

だからこそ、プレッシャーに立たされた時、そこをどう乗り切るか
どう乗り越えるかが重要です。

騎手は、実力主義の世界です。

ビックチャンスをものにすれば、さらにまたチャンスが巡って来る可能性
が高くなりますが、ビックチャンスを活かせなければ、次はなかなか
いい馬に乗せてもらえる機会は出てこなくなります。

この分岐点の上に行った者だけが、一流ジョッキーの道を目指す事が出来ると言えます。

圧倒的一番人気の馬を勝たせる騎手がいかに凄いかの話でした。

記事下
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なぜMデムーロ、Cルメールは強い?重大な訳とは?

競馬には魅力があるが魔力もある。だからこそ競馬力を高めて勝つ。

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