競馬場の恋人 前編

競馬場であった不思議体験。

私が体験した話ではありませんが、実話を元に本人になりきって

話していきたいと思いますw

これは、俺が23歳の時の話。

大学を出て、そこそこ良い会社にも就職し、滑り出し好調な人生。

仕事について1年が立ち、職場環境にも慣れ、

また独り暮らしという自由も満喫していた。

大学時代に付き合っていた彼女とは、遠距離になったため

別れたものの友達としての付き合いは続いていた。

そんなある日、職場の先輩から競馬をしに行かないかと

誘われた。

俺は、たまにパチンコはするが、競馬は人生で一度もした事がなかった。

そんなわけなので、先輩に実は俺競馬やった事ないんですよ。

興味はあるんですけどね。

それを聞いた先輩は、逆に嬉しそうな顔をして、おーそうか!

なら俺がイチから教えてやるよ。

と自信満々に言うので、よろしくお願いします。

とありきたりながら、声のトーンをあげて見せた。

しかし、実際競馬場につくと、目をギラギラとさせた先輩は

勝手についてこいと言わんばかりに一目散にパドックに向かう。

俺のやってる事を見ていれば分かるからと、言う先輩。

えーーさっきと話が違うんですけど(汗)

これが、いわゆる新人への洗礼というものなのか?

まあとにかく全くの素人の俺は、先輩のやっている事を

真面目に見ていた。

先輩が真剣な顔つきで、見ている新聞を横から眺めてみた

けれど、何が何だか分からない。

しかし、馬券の買い方は、、思ったほど難しいものではなく、好きな馬を選んで

馬券売り場でそれを買うという実にシンプルである事が分かった。

これなら俺でもできるなと思い、最初は先輩を立て同じ馬券を

買ってみたのですが、外れたので今度は自分がいいなと思った馬を買うことにした。

ところで不思議体験はまだ?

と思われる人もいるかもしれませんが、もう少しだけ前置きに

お付き合いくださいw

すると、ビギナーズラックってあるんですね。

いきなり、俺の買った馬券が的中したのです。

忘れもしない1-5 しかも万馬券です。15080円の配当が付きました。

200円しか買っていませんでしたが、先輩に馬券を見せると

おっやるじゃん、俺のおかげだなとなぜか引きつったような笑みを浮かべ

俺の肩をパンパンと強めに叩いた。

いたいいたい。

何だかんだで、その日俺は5Rほどやり、うち3Rが的中。

いい小遣い稼ぎになったと同時に、競馬の面白さを肌で感じていた。

一方先輩は1Rも当たらず、ちょっと不機嫌になっていた。

俺は、気を利かせて先輩に今日は先輩のおかげで

勝てました。ありがとうございます。

これ、勝った額の半分です。

俺の講師料として受け取ってください

というと、おっお前カワイイとこあるじゃん。

そう言った後、これはお前が勝った金だから

受け取れないよ。でも今から飲みに行こう。

お前のおごりで、というのではい、喜んで!と言う店員が

いるチェーン店へと向かった。

結局そこで俺は、その日勝ったお金のほとんどを

先輩に飲みつくされたのであるw

とほほ、
半分受け取ってくれたほうが良かったよねー(泣)

とにかく、そのビギナーズラックで俺は競馬への

入口に足を踏み入れる事となった。

第一幕完!と言いながら、続けますw

さて次の週も先輩は俺を競馬に誘ってきました。

たった一度の勝利で俺は、もう天才ですが何か?
的な雰囲気を風格を持って競馬場に向かう。

今日も俺の勝ちだな。

そんな勢いを持って、競馬場へと向かった。

しかーし、この日は思わぬハプニングが待っていました。

柳沢慎吾さん的に言うと事件発生事件発生。
現場はどうやら競馬場のようです。

小ネタいらないから先に進みなさい。
分かりましたw

先輩に飲み物を買ってきて欲しいと言われ、

ジュースを買って、先輩のところに戻ると

何やら二人組に囲まれている先輩。

特に二人組のうち一人が先輩に物凄い剣幕で
何やらまくし立てている。

不穏な空気しかない。

少し距離をおいて、そっと状況を見守る俺。

ですが、内容を聞いているうちにだんだんと話が飲み込めてきた。

まくし立てていたのは、どうやら先輩の彼女Aさんでもう一人の女性は

彼女の友達Bさん。

先輩は彼女のAさんをほっておいて、毎週競馬場に入り浸っていたようだ。

それに、我慢ができなくなったAさんが友達を引き連れてやってきたという構図。

タジタジになっている先輩でしたが、ふと俺と目線があった。

子犬のような潤んだ目は、確実に助けを求めている。

うわーどうしよう、、と思いながら、仕方なく知らない素振りで

あっ先輩ジュース買ってきましたよ。

と声を掛けた。

あっ、こちらの二人のおキレイな方は、先輩のお知り合いですか?

こんなキレイな方が知り合いなんて羨ましいです。流石先輩。

もしかして、彼女さんですか?凄い美人ですよねーとヨイショし(実際に友達は美人でした。)Aさんの機嫌をなだめようと

演技をした。

しかし、当然ながら、安定と定評のある大根役者の演技力。(知らんけどw)
変な汗が出てきた。

でも、しばらくしてBさんが、突然笑い出した。

すると、それを見たAさんもなぜかつられて笑い出す。

最後には先輩まで笑い出す始末。

結果的に俺の下手さが、功(こう)を奏(そう)した模様。

Aさんは、とりあえず機嫌を取り戻したものの先輩には当分の間

競馬禁止令が発動された。

Aさんに腕を掴まれ、競馬場を後にする先輩に向け手を振った。

そして、直後の違和感。

ん、、あれっ?Bさんは帰らないんですか?

彼氏と二人っきりになったのに、邪魔するわけに行かないでしょ?

(俺)はぁ、確かにそうですね。

その瞬間、競馬場の風がふっと俺の前を横切った。

と同時に俺の腕と脇の間には、別な腕が入りこんでいた。

私美人なんでしょ?今日は付き合ってもらうわよ。とその人は

小悪魔的な笑みを浮かべた。

俺は、一瞬にしてその笑顔にやられた。

何とも言えない鼓動が俺の中でこだまする。

ターイムアタック。児玉清じゃねえよ。

となぜかハリセンボンばりのギャグを脳に浮かべ

冷静になろうとするが、むしろ逆効果だった。

ますます意識がどこを向いていいか分からなくなった。

落ち着け落ち着け俺。

とりあえず、集中する対象物を見つける事にしよう。

そうだ!競馬だ。

競馬に意識が向けば、とりあえず今よりは冷静になるはず。

俺は、Bさんに競馬場って初めてですか?と聞くと

んーとしばらく考えた後、二人で来たのは初めてかも

と言った。

俺がキョトンとした表情をしていると、Bさんは笑いながら

実はたまに一人で競馬しに来るんだと言った。

Bさんは、ナント競馬好き女子だった。

この日は、先輩の彼女Aさんが先輩が競馬場に絶対いるはずだから

行くなら連れてってと言われて一緒に来たらしい。

そうか、そういう事だったんだ。やっと話がつながった。

俺はどうやら勘違いしてたらしい。

Bさんは、てっきり俺に気が合って競馬場にとどまったものだと

思っていたのだ。

ところが本当は競馬をやりに来ただけだったとは、、

さっきの嬉しさと恥ずかしさがいっぺんに駆け抜けていった。

と同時に何だか都合のいい俺の思考に笑いがこみ上げてきた。

ハハハハハ

それを見たBさんが顔を膨らませて、ふてくされたような表情を

しながら、何よもーうと言っている。

女子が一人で競馬やって悪い?

と言うので、俺は違う、違いますよとまた笑った。

こうして、俺の緊張の糸は、簡単にもほぐれた。

さあ、そうと決まれば競馬だ競馬。

冷静さを取り戻し、俺はいつもの俺になっていた。

Bさんは、どういう事どういう事を連呼してくるが
俺は言うわけにもいかず、あとで言いますよとかわし続けた。

話の途中、

突然ですが、読んでるくれている人に今からC君という人物

が登場しますので、一応お許しを願います。

C君とは何ぞや?

と思われるでしょうから、説明します。

C君とは俺です。

Bさんが俺に言う時の名称です。

俺君でもいいんですが、C君にさせていただきます。

って真面目か!

そんなわけで今からBさんから見て俺はC君になったのであった。

そして、この物語は後半へと続くのである。

(何となくBGMが流れる。知らんけどw)

競馬場の恋人 後編

人生逆転!競馬であったウソのような本当の話。夢で見た光景が現実に

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